Java基礎 第14回『インターフェースについて学習しよう』

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この記事について

Java基礎 第13回では抽象クラスを学びました。
この記事はJavaの「インターフェース」について詳しく説明したものです。インターフェースがクラスが持つべきメソッドを定義するツールであること、そしてそれがソフトウェア開発における柔軟性とコードの再利用性をどのように向上させるかについて、具体的なコード例とともに解説しています。
さらに、インターフェースと抽象クラスの違いや、多態性、コードの再利用性、柔軟性などインターフェースのメリットと利用例も紹介しています。

Javaを学んでいる方、あるいは既に使っていてインターフェースの使い方をより理解したい方、また大規模なソフトウェアプロジェクトに関与している方にとって、非常に役に立つ内容となっています!

イントロダクション

Javaのプログラミングワールドにおける、「インターフェース」は、強力かつ極めて重要な役割を果たします。インターフェースとは、言ってみれば、特定の振る舞いを保証するための契約のようなものです。具体的には、それは特定のクラスが必ず実装しなければならない一連のメソッドを定義する機能を持っています。

インターフェースの基本的な概念

インターフェースとは、具体的にはあるクラスが持つべきメソッドを定義する一種の契約のようなものです。つまり、そのインターフェースを実装するクラスは、そのインターフェースに定義されたすべてのメソッドを持つべきです。

以下に、インターフェースとクラスがどのように関連しているかを示す図を示します

 Interface
      ^
      |
      |
  Implementing Class

矢印が指している方向が、「実装する」(Implementing)という関係を示しています。

そしてここで、「飛べるもの」を示すインターフェースを定義し、それを実装するクラスを作成する具体的な例を見てみましょう

interface Flyable {
    void fly();
}

class Bird implements Flyable {
    @Override
    public void fly() {
        System.out.println("The bird is flying.");
    }
}

このコードでは、BirdクラスはFlyableインターフェースを実装しているため、flyメソッドを定義しています。これにより、Birdクラスが必ずflyメソッドを持つことが保証されます。

インターフェースの特性

インターフェースには以下のような特性があります

全てのメソッドは公開されます(public)

インターフェースに定義される全てのメソッドは自動的にpublicとなり、その実装クラスからアクセス可能です。

全てのメソッドは抽象メソッドです(abstract):インターフェースに定義される全てのメソッドは抽象メソッドであり、その具体的な実装は実装クラスに委ねられます。

複数のインターフェースを実装することができます:一つのクラスは複数のインターフェースを同時に実装することができます。これは、Javaが多重継承を直接的にサポートしていないことを補うための重要な機能です。

これらの特性を表にまとめてみましょう

Java基礎

インターフェースと抽象クラスの違い

抽象クラスとインターフェースは、両方ともクラスが持つべきメソッドを定義するために使用されます。しかし、これら二つはいくつかの重要な違いがあります

状態の保持

抽象クラスはフィールド(状態)を保持することができますが、インターフェースはメソッドの定義のみを持つことができます。

継承と実装:クラスは複数のインターフェースを実装することができますが、一つのクラスしか継承することができません。

これらの違いを次の表にまとめています

Java基礎

インターフェースの利用例

インターフェースはJavaのソフトウェア開発で広く使われています。例えばJavaのコレクションフレームワークでは、ListやSetなどのインターフェースが定義されています。これらのインターフェースを実装することにより、開発者は自分自身のデータ構造を作成することができます。

また、インターフェースはテストやモック作成の際にも役立ちます。テスト対象のクラスがインターフェースを使用して依存性を持つ場合、その依存性をモックオブジェクトで置き換えることができます。これにより、テストはより制御可能で予測可能になります

以下に具体的なインターフェースのメリットと使用例を紹介します

多態性(Polymorphism)

Drawableインターフェースを実装することで、その実装クラス(Circle, Squareなど)はDrawable型として扱うことができます。これにより、特定のインターフェースを実装する任意のオブジェクトを一般的な方法で操作することができます。たとえば、Drawableオブジェクトの配列を作成し、その中の全ての要素に対してdrawメソッドを呼び出すことができます。

コードの再利用性(Code Reusability)

同じインターフェースを実装する複数のクラスがある場合、それらのクラスは同じメソッドを持つことが保証されます。これにより、クラス間でコードを再利用することが容易になります。

柔軟性(Flexibility)

インターフェースは具象クラスとの依存性を低減します。これにより、システムはより柔軟になり、変更や拡張に対応しやすくなります。

以上を踏まえて、以下のようにコードを更新します

// インターフェースの定義
interface Drawable {
    void draw();
}

// インターフェースを実装したクラス
class Circle implements Drawable {
    public void draw() {
        System.out.println("Drawing a circle");
    }
}

class Square implements Drawable {
    public void draw() {
        System.out.println("Drawing a square");
    }
}

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        // Drawable型の配列を作成
        Drawable[] drawables = new Drawable[2];

        // 配列の要素としてCircleとSquareのインスタンスを作成
        drawables[0] = new Circle();
        drawables[1] = new Square();

        // 配列の全ての要素に対してdrawメソッドを呼び出す
        for (Drawable drawable : drawables) {
            drawable.draw();
        }
    }
}

期待される出力

Drawing a circle
Drawing a square

この例では、Drawableインターフェースを用いて多態性を実現し、Drawable型の配列内で全ての要素に対して一般的な方法(drawメソッドの呼び出し)で操作を行っています。

まとめ

インターフェースは、クラスが持つべきメソッドを定義するための強力なツールであり、ソフトウェアの開発における柔軟性とコードの再利用性を向上させます。
大規模なソフトウェアプロジェクトの成功には、このような特性が不可欠です。

次回は、Javaのパッケージについて詳しく説明します。
お楽しみに!

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この記事を書いた人

株式会社NEUGATEは、都内で企業研修や職業訓練を運営している会社です。主に、IT系の教育事業に力を入れています。
この記事は、株式会社NEUGATEの教育事業部が執筆をしています。

企業ホームページ:https://neugate.co.jp/

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