Javaの環境構築とEclipseの使用ガイド
はじめに
Java基礎 第0回では『環境構築』について説明していきます。
Javaは、WebアプリケーションからAndroidアプリまで、幅広い領域で使用されているプログラミング言語です。
Javaはオブジェクト指向プログラミングをサポートしており、その堅牢性とセキュリティ、移植性の高さから多くの開発者に選ばれています。
一方、EclipseはJavaをはじめとする多くのプログラミング言語に対応した統合開発環境 (IDE) です。Eclipseはその強力なコード補完やリファクタリング、デバッグ機能などで知られています。
こんな方にピッタリ
この記事では、Javaの環境構築からEclipseの基本的な使い方までを、初心者が理解できるようにステップバイステップで説明します。
プログラミングを始めたばかりの方や、JavaとEclipseを初めて使う方にピッタリの内容になっています。
Javaのインストール
JDKのダウンロード
Javaのプログラムを書くためには、Java Development Kit (JDK) が必要です。
JDKはJavaの公式ウェブサイトから無料でダウンロードできます。JDKにはJava Runtime Environment (JRE) も含まれており、Javaアプリケーションを実行するために必要なソフトウェアが全て揃っています。
最新のJDKをダウンロードすることで、Javaの最新機能を利用することができます。
こちらからDL↓
https://www.oracle.com/jp/java/technologies/downloads/#jdk20-windows
JDKのインストール
ダウンロードしたJDKのインストーラを実行します。
インストール方法は、使用しているオペレーティングシステムによります。Windowsでは.exeファイルを実行し、Macでは.pkgファイルを実行します。
ポップアップが出てくるので、全て次へをクリックしする。
正常にインストールされたら「閉じる」をクリックする
環境変数の設定
Javaのインストールが完了したら、次に環境変数の設定を行います。これはJavaコマンドをどこからでも実行できるようにするためのステップです。具体的には、システムのPATH環境変数にJDKのbinディレクトリのパスを追加します。
ここでいう「JDKのbinディレクトリのパス」とは、JDKのインストール場所の中にある「bin」という名前のフォルダへの場所のことを指します。この「bin」フォルダの中には、Javaコマンドなどの実行可能なプログラムが格納されています。このフォルダの場所をシステムのPATH環境変数に追加することで、Javaコマンドをどこからでも実行できるようになります。
パスをコピーします。
ダウンロードしたJDKのbinを開き、開いた場所のURLをコピーします
Windowsの場合
コントロールパネルを開き、「システムとセキュリティ」->「システム」->「システムの詳細設定」をクリックします。
「システムのプロパティ」ウィンドウが開きます。ここで「環境変数」ボタンをクリックします。
「環境変数」ウィンドウが開きます。システム変数の中から「Path」を選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「環境変数を編集」ウィンドウが開きます。ここで「新規」ボタンをクリックし、先ほどコピーしておいたJDKがインストールされている場所の中の「bin」フォルダへのパスを貼り付けます。通常、このパスは「C:\Program Files\Java\jdk-xx\bin」のようになります。ここで「xx」はインストールしたJDKのバージョンによります。
全てのウィンドウを「OK」ボタンで閉じます。
Eclipseのダウンロードとインストール
Eclipseのダウンロード
次に、Eclipseの公式ウェブサイトから最新版をダウンロードします。Eclipseにはいくつかのエディションがありますが、ここでは「Eclipse IDE for Enterprise Java and Web Developers」をダウンロードします。このエディションにはアプリケーション開発をするために必要なJava EEと関連するツールが含まれており、サーブレットやJSPといった今後使用するアプリケーション開発に適しています。ダウンロードページのURLは以下の通りです。
Eclipseのダウンロードページ
https://mergedoc.osdn.jp/
現在の最新バージョンは2023年7月時点でEclipse 2023-06 (4.23.0)ですが、ダウンロード時には常に最新のバージョンを選択してください。
Eclipseのインストール
ダウンロードしたEclipseのZIPファイルを解凍します。
解凍するためにはダウンロードしたZIPファイルをダブルクリックして、実行します。
作成先フォルダはデフォルトのままでOKです。
Eclipseの設定と基本的な使い方
ワークスペースの設定
Eclipseを初めて起動すると、ワークスペースの場所を設定する画面が表示されます。ワークスペースは、プロジェクトやファイルを保存する場所です。適切な場所を選んだら、「起動」ボタンをクリックしてEclipseを起動します。
デフォルトは「../workspace」で、特に変更する必要もありません。
パースペクティブの設定
Eclipseを起動したら、まずパースペクティブの設定を行います。パースペクティブとは、Eclipseのウィンドウのレイアウトのことで、作業内容に応じて最適なレイアウトを選択できます。Javaのコーディングを行う場合は、「Java」パースペクティブが便利です。
メニューから「ウィンドウ」->「パースペクティブ」->「パースペクティブを開く」->「Java」を選択します。これでJavaパースペクティブが開き、Javaのコーディングに適したレイアウトになります。
新しいプロジェクトの作成
Eclipseのメニューから「ファイル」->「新規」->「Java プロジェクト」を選択して新しいJavaプロジェクトを作成します。プロジェクト名を入力し、「完了」ボタンをクリックします。今回のデモではプロジェクト名を「HelloWorld」にします。
これで新しいJavaプロジェクトが作成され、パッケージエクスプローラに表示されます。
ソースコードの作成と実行
ソースコードの作成
新しいJavaクラスを作成して、ソースコードを書きます。パッケージエクスプローラでプロジェクト名を右クリックし、「新規」->「クラス」を選択します。クラス名を入力し、「完了」ボタンをクリックします。今回のクラス名は「HelloWorld」にします。これで新しいJavaクラスが作成され、エディタに表示されます。
ここでは、”Hello, World!”を表示する簡単なJavaプログラムを作成します。以下のようにソースコードを書きます。
public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, World!");
}
}
このコードは、HelloWorldという名前のクラスを定義しています。mainメソッドはJavaプログラムのエントリーポイント(開始点)です。エントリーポイントとは、プログラムが実行されると最初に呼び出される部分のことを指します。Javaプログラムでは、mainメソッドがこのエントリーポイントになります。つまり、プログラムが実行されると、最初にmainメソッドの中のコードが実行されます。
System.out.println(“Hello, World!”);は、コンソールに”Hello, World!”と表示します。System.outは標準出力(通常はコンソール)を表し、printlnメソッドは引数として与えられた文字列を出力します。
上記の内容は次回以降の記事で分かりやすく解説しておりますので、今は「こうやって書くと文字をコンソールに表示できるんだなぁ」という理解で十分です。
コードの実行
作成したコードをEclipseで実行します。エディタの画面でソースコードを右クリックし、「実行」->「Java アプリケーション」を選択します。これでコードが実行され、結果がコンソールに表示されます。コンソールには”Hello, World!”と表示されるはずです。
デバッグの方法と活用
デバッグとは?
デバッグとは、プログラムのエラー(バグ)を見つけて修正する作業のことを指します。
プログラムが予期しない動作をしたり、期待した結果を出さないとき、その原因を探し出して修正する必要があります。これがデバッグです。デバッグはプログラミングの重要なスキルであり、プログラムを理解し、問題を解決する能力を養うための良い機会でもあります。
デバッガとは?
デバッガは、デバッグを支援するためのツールです。デバッガを使うと、プログラムの実行を一時停止したり、一行ずつ実行したり、変数の値を確認したりすることができます。これにより、プログラムがどのように動作しているかを詳細に観察し、エラーの原因を見つけ出すことができます。
Eclipseには強力なデバッガが内蔵されています。ここでは、その基本的な使い方をステップバイステップで説明します。
パースペクティブの切り替え
Eclipseでは、作業の種類に応じて最適なレイアウトとツールを提供するために、パースペクティブという概念があります。デバッグ作業を行うときは、デバッグパースペクティブを使用します。
デバッグパースペクティブに切り替えるには、メニューバーの「ウィンドウ」->「パースペクティブ」->「パースペクティブを開く」->「デバッグ」を選択します。これで、Eclipseのレイアウトがデバッグ作業に最適化され、デバッグに必要なビューやツールが利用可能になります。
ブレークポイントの設定
デバッグを始めるには、まずブレークポイントを設定します。ブレークポイントは、デバッガがプログラムの実行を一時停止するポイントです。Eclipseでは、エディタの行番号の部分をダブルクリックすることでブレークポイントを設定できます。ブレークポイントが設定されると、その行番号の部分に小さな丸が表示されます。
デバッグの開始
ブレークポイントを設定したら、デバッグを開始します。エディタの画面でソースコードを右クリックし、「デバッグ」->「Java アプリケーション」を選択します。これでデバッグが開始され、ブレークポイントでプログラムの実行が一時停止します。
ステップ実行
プログラムが一時停止すると、ステップ実行を行うことができます。ステップ実行には、「ステップイン」、「ステップオーバー」、「ステップリターン」の3つの操作があります。「ステップイン」は、現在の行にメソッド呼び出しがある場合、そのメソッド内に入ります。「ステップオーバー」は、現在の行を実行し、次の行に移動します。「ステップリターン」は、現在のメソッドから抜け出し、呼び出し元の次の行に移動します。
変数の値の確認
デバッグ中には、変数の値を確認することができます。デバッグビューの右部にあるビューで、現在のスコープ内の変数の値を見ることができます。
まとめ
この記事では、Javaの環境構築からEclipseの基本的な使い方までをステップバイステップで説明しました。JavaとEclipseを使って、自分自身でプログラムを作成し、実行し、デバッグする能力を身につけることは、プログラミング学習の大きな一歩です。
Javaは、WebアプリケーションからAndroidアプリまで、幅広い領域で使用されているプログラミング言語です。Javaの堅牢性とセキュリティ、移植性の高さから、多くの開発者がJavaを選んでいます。また、Javaはオブジェクト指向プログラミングをサポートしており、大規模なソフトウェア開発にも適しています。
一方、EclipseはJavaをはじめとする多くのプログラミング言語に対応した統合開発環境 (IDE) です。Eclipseはその強力なコード補完やリファクタリング、デバッグ機能などで知られています。また、Eclipseはプラグインアーキテクチャを採用しており、様々なプラグインをインストールすることで、さらに多機能な開発環境を構築することができます。
今回の環境構築をきっかけに、次回以降も一緒にJavaを身につけて行きましょう!
Java基礎 第1回では「Javaプログラムのコンパイルと実行方法」を解説していきます!
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