Java基礎 第8回『メソッド』 ~7章 メソッドのベストプラクティス~

Java基礎 第8回 7章は、プログラミングにおける『メソッド』のベストプラクティスについて詳細に解説しています。
高品質なソフトウェアを作るための効果的な方法やテクニックを一覧形式で紹介し、それぞれについて具体的な説明と例を提供しています。
コードの可読性、保守性、拡張性を向上させることで、ソフトウェアの品質を高め、バグの可能性を減らすことが可能です。

この記事は初学者の方や、コードのリーダビリティや保守性を改善する方法を探している開発者にとって役立つ内容です。記事を読むことで、具体的なコーディングのシチュエーションにおいてどのようにベストプラクティスを適用するべきかの理解が深まり、自身のコーディングスキルの向上につながるでしょう。

目次

メソッドのベストプラクティス

プログラミングにおける「ベストプラクティス」は、品質の高いソフトウェアを作るために広く受け入れられている効果的な方法やテクニックを指します。これらのプラクティスは、長年の経験と実績から得られた知識を基にしています。ベストプラクティスを遵守することにより、コードの可読性や保守性、拡張性を向上させ、バグの可能性を減らすことができます。

Java基礎 ベストプラクティス

各ベストプラクティスの詳細

メソッドは一つの仕事をするべき

メソッドは一つのタスクまたは操作のみを行うべきです。これは単一責任の原則とも関連します。メソッドが複数の操作を行う場合、それぞれの操作を個別のメソッドに分割することが推奨されます。これによりコードの可読性と保守性が向上します。

メソッド名は動詞を用いる

メソッド名はそのメソッドが何を行うのかを明確に示すべきです。そのため、メソッド名には動詞を用いることが一般的です。例えば、`calculateSum`、`printReport`などです。

コードの重複を避ける

同じコードを複数の場所で繰り返し使用するのは避けるべきです。DRY(Don’t Repeat Yourself)の原則に従って、同じコードが複数の場所に存在すると、そのコードを修正する必要が生じたときに、すべての場所を見つけ出して修正する必要があります。

メソッドの長さを適切に保つ

  メソッドは短く、見るだけで全体を理解できるようにするべきです。この規則には厳密な上限はありませんが、一般的には20〜30行以内が目安とされています。

適切なパラメータ数を持つ

メソッドのパラメータは少なければ少ないほど良いとされています。パラメータが多すぎると、メソッドの使用が複雑になり、理解しにくくなります。

 ベストプラクティスの具体的な適用例

以下に、ベストプラクティスの適用例を示します。単純な挨拶を出力するメソッドを考えてみましょう。

ベストプラクティス適用前

public void greet() {
    System.out.println("Hello, world!");
    System.out.println("How are you?");
}

このメソッドは一見問題なさそうに見えますが、実際には二つの別々の挨拶(“Hello, world!”と”How are you?”)を出力しています。これは”メソッドは一つの仕事をするべき”というベストプラクティスに反しています。

ベストプラクティス適用後

public void sayHello() {
    System.out.println("Hello, world!");
}

public void askHowAreYou() {
    System.out.println("How are you?");
}

こちらのコードでは、各メソッドが一つのタスクのみを行っています。また、メソッド名もそのメソッドが何をするのかを明確に示す通りの動作を行い、コードの可読性と保守性が向上します。これはあくまで一例ですが、これらのベストプラクティスは様々なコーディングシチュエーションに適用できます。

もう一つ、複数の計算を行うメソッドを考えてみましょう。

ベストプラクティス適用前

public int calculate(int a, int b) {
    int sum = a + b;
    int difference = a - b;
    int product = a * b;
    System.out.println("Sum: " + sum);
    System.out.println("Difference: " + difference);
    System.out.println("Product: " + product);
    return sum;
}

このメソッドは、和、差、積を計算し、結果を印刷し、和を返します。これは単一責任の原則に反しています。また、メソッド名 “calculate” はその動作を完全には表していません。

ベストプラクティス適用後

public int calculateSum(int a, int b) {
    int sum = a + b;
    System.out.println("Sum: " + sum);
    return sum;
}

public int calculateDifference(int a, int b) {
    int difference = a - b;
    System.out.println("Difference: " + difference);
    return difference;
}

public int calculateProduct(int a, int b) {
    int product = a * b;
    System.out.println("Product: " + product);
    return product;
}

ベストプラクティスが適用された後のコードでは、各メソッドが一つのタスクのみを行い、そのタスクに名前が付けられています。このように、ベストプラクティスを適用することで、コードの可読性、保守性、拡張性を向上させることができます。

まとめ

今回はメソッドのベストプラクティスについて紹介しました。
Javaはオブジェクト指向言語であり、大規模な開発に採用されることも多い言語です。
こういったベストプラクティスを用いてコードを整えることも、非常に重要なこととなっています。

ただ動けばいい、だけでなく実践的に習得する上ではベストプラクティスは欠かせません。

今回でメソッドについては終了です。
第9回からはクラス、オブジェクトを紹介します。

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この記事を書いた人

株式会社NEUGATEは、都内で企業研修や職業訓練を運営している会社です。主に、IT系の教育事業に力を入れています。
この記事は、株式会社NEUGATEの教育事業部が執筆をしています。

企業ホームページ:https://neugate.co.jp/

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