Java基礎 第20回『ファイル操作(java.io)』とは

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この記事について

Java基礎 第19回では例外クラスについて勉強しました。
本記事は、Java言語を用いた『 ファイル操作 』について詳しく解説したものです。具体的には、java.ioとjava.nio.fileパッケージを使用した基本的な操作から、Java 8のStream APIを活用した高度な操作までを幅広くカバーしています。また、例外処理やリソース管理などのベストプラクティスについても触れています。

Javaプログラミングにおけるファイル操作の基本を理解したい初級者から、より効率的なファイル操作方法を学びたい中級者・上級者まで、Javaを学んでいるあらゆる方にとって役に立つ内容となっています。

はじめに

Javaは多くの分野で使用されるプログラミング言語です。その多機能性の中でも特に重要なのが、ファイル操作の能力です。Javaを使うと、テキストファイルや画像、音声、ビデオなど、さまざまな種類のファイルを読み込んだり、書き込んだり、またはファイルやディレクトリの作成、削除、移動など、さまざまな操作を行うことが可能です。

Javaでのファイル操作

Javaでは、主にjava.ioパッケージとjava.nio.fileパッケージを用いてファイル操作を行います。これらのパッケージは、ファイルとディレクトリの作成、読み書き、移動、削除など、日々のプログラミングで必要となる一連のファイル操作をサポートしています。

java.io.Fileクラスの紹介

java.ioパッケージの中心的なクラスの一つがjava.io.Fileクラスです。このクラスを使用すると、ファイルまたはディレクトリのパス名を抽象的に扱うことができます。以下はFileクラスの一部の主要なメソッドの使用例です。

import java.io.File;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        File file = new File("sample.txt");

        // ファイルが存在するかチェック
        System.out.println("Exists: " + file.exists());

        // ファイルの名前を取得
        System.out.println("Name: " + file.getName());

        // ファイルのパスを取得
        System.out.println("Path: " + file.getPath());

        // ファイルを削除
        if (file.delete()) {
            System.out.println("File deleted");
        } else {
            System.out.println("Failed to delete file");
        }
    }
}

このコードは”sample.txt”という名前のファイルを扱います。まず、Fileオブジェクトを作成し(これによりJavaプログラム内でファイルに対する操作が可能になります)、その後、existsメソッドを使用してファイルが存在するかを確認し、getNameメソッドでその名前を取得し、getPathメソッドでそのパスを取得します。そして最後に、deleteメソッドを使用してファイルを削除します

java.io.FileInputStreamとjava.io.FileOutputStreamクラス

java.ioパッケージには、ファイルの読み書きを行うためのFileInputStreamクラスとFileOutputStreamクラスも含まれています。

以下はこれらのクラスの使用例です。

import java.io.FileInputStream;
import java.io.FileOutputStream;
import java.io.IOException;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        try {
            FileInputStream in = new FileInputStream("input.txt");
            FileOutputStream out = new FileOutputStream("output.txt");

            int c;
            while ((c = in.read()) != -1) {
                out.write(c);
            }

            in.close();
            out.close();
        } catch (IOException e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }
}

このコードは”input.txt”ファイルからデータを読み込み、それを”output.txt”ファイルに書き込むシンプルなファイルコピーの例です。読み込みはFileInputStreamのreadメソッドで、書き込みはFileOutputStreamのwriteメソッドで行われます。そして、ファイル操作が完了したら、必ずファイルを閉じることが重要です。これはリソース(ここでは開いたファイル)を解放するためで、これを怠るとシステムのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

java.nio.fileパッケージ

Java 7からは、より効率的なファイル操作のためにjava.nio.fileパッケージが導入されました。このパッケージには、ファイルやディレクトリへのパスの操作、ファイル属性のアクセスなど、高度なファイル操作を可能にしています。

以下はPathsとFilesクラスを用いてファイルをコピーする例です。

import java.nio.file.*;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Path sourcePath = Paths.get("source.txt");
        Path destinationPath = Paths.get("destination.txt");

        try {
            Files.copy(sourcePath, destinationPath, StandardCopyOption.REPLACE_EXISTING);
            System.out.println("File copied!");
        } catch (IOException e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }
}

このコードは、”source.txt”という名前のファイルを”destination.txt”という名前の新しいファイルにコピーします。これはFilesクラスのcopyメソッドを使って実現されます。第3引数のStandardCopyOption.REPLACE_EXISTINGを指定することで、目的のファイルがすでに存在していてもそれを上書きします。もし第3引数を省略すると、目的のファイルが既に存在している場合にはIOExceptionがスローされます。

Java 8で追加されたストリーム操作によるファイル操作

Java 8では新たにStream APIが導入され、これによってファイルの読み書きも更に効率的になりました。

以下は、Stream APIを用いてファイルからテキストを読み込み、それを大文字に変換し、別のファイルに書き込む例です。

import java.nio.file.*;
import java.util.stream.*;

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Path inputPath = Paths.get("input.txt");
        Path outputPath = Paths.get("output.txt");

        try (Stream<String> lines = Files.lines(inputPath);
             PrintWriter writer = new PrintWriter(Files.newBufferedWriter(outputPath))) {

            lines.map(String::toUpperCase)
                 .forEach(writer::println);

        } catch (IOException e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }
}

このコードでは、Filesのlinesメソッドを使ってファイルから行を読み込み、それをStreamで処理しています。Streamのmapメソッドを使って各行を大文字に変換し、それを新しいファイルに書き込んでいます。つまり、”input.txt”の内容が全て大文字になった形で”output.txt”に書き込まれることになります。ここでも、ファイル操作が終わったらファイルを閉じることが重要です。そのためにtry-with-resources構文を用いています。

ファイル操作に関する注意点とベストプラクティス

Javaでファイル操作を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、ファイル操作は常に例外を投げる可能性があるため、適切な例外処理が必要です。また、ファイルやストリームを開いたら、必ずそれを閉じる必要があります。これによりリソースのリークを防ぐことができます。最後に、可能な限り最新のAPIを使用し、ファイル操作を効率的に行うことが推奨されます。

まとめ

この記事では、Javaにおけるファイル操作について学びました。ファイル操作は、Javaプログラミングの中でも特に重要な部分であり、効率的かつ安全なファイル操作を行うための知識とスキルを身につけることは非常に重要です。

今回でJavaの基本的なスキルについては紹介を終わります。
ここまで長い道のりでしたが、最後まで本当にお疲れ様でした。

この連載では深い部分まで触れられきれていない箇所もあります。
これを機に、更に実践的にJavaを学び続けていきましょう。

その他Java以外のプログラミング言語も紹介していますので、関連記事もご覧ください!

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この記事を書いた人

株式会社NEUGATEは、都内で企業研修や職業訓練を運営している会社です。主に、IT系の教育事業に力を入れています。
この記事は、株式会社NEUGATEの教育事業部が執筆をしています。

企業ホームページ:https://neugate.co.jp/

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